そんなに自由か!

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最近のこと

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一ヵ月ぶりの「最近のこと」。進まない卒論のことで頭いっぱいになってしまっているけれど、Dr.ハインリッヒのことも書かずにはいられない。M-1グランプリ準々決勝のネタが「めちゃめちゃヤバい」と以前ツイッターで呟いたが興奮は一向に醒めない。サイケデリックで・・・新奇性に富んだ・・・などと評論めいた形容を重ねるのも差し出がましい。野暮な表現とはわかっているが、とにかくヤバいのだ。

M-1の大会それ自体も人並みに関心が高くて、先日は大好きなジャルジャルとゆにばーすの決勝進出の吉報を聞いて喜んだのだけれども、この漫才の衝撃には勝てなかったので今週のトップに置いた。もうこちらは暗唱できるので、準備できた方(かた)からセッションしていきましょう。とにかく観てください。
gyao.yahoo.co.jp

どうでしょうか。置かれた構造を根本からは否定せずに進んでいく、という展開はおぎやはぎをはじめとしてそう珍しくはないんだけども、何しろヤバい。

「尾ヒレ硬ない?」に対して「硬いねん。」のみで処理するところ、この世は全部丸であるとして、太陽や地球を引き合いに出すところ、「短い目になった鉛筆の持つとこを長くする銀色のヤツ」のチョイス、輪廻のなかに知らず知らずのうちに入ってしまったので一度聞いた話でも「えぇっ!?」とまっさらな反応ができるところ、など断片的なものを挙げるとキリがない。

ユーモラスかどうかは正直言ってわからないんだけれど笑ってしまう。笑ったのだからきっと面白いのだろうと何だかすごく純粋になれるのも良い。過去には『ダウンタウンなう』に出演していて、そこで松本人志も評価したというのですごく救われた気持ちになった。賞レースで活躍するには「ま、焼きそばやわ」を推していくのがギリ方向性としてありそうなのだが、逆に言えば松本人志が認めたからこそM-1の舞台でこうした”媚びない”漫才ができたのかもしれない。

この漫才、ひいてはコンビの魅力を伝えようと、最初は個別エントリーの記事にしていたがどうにもまとまらなかった。言葉の連なりだけを拾うのに精いっぱいなのに、カルチャー界隈ではおなじみの「青春ゾンビ」ヒコさんはこの漫才の構成からきちんと評していて、たくさん頷いた。

冒頭から"トンネルを抜ける"というフレーズが配置されていることに驚愕し、コンクリートの割れ目はもとより、「短かい目になった鉛筆の持つとこを長くする銀色のやつ」にすら"貫通"のイメージが託されていることに震えた。

Dr.ハインリッヒ『M-1グランプリ 2018 準々決勝』 - 青春ゾンビ

ちなみに「小沢健二」「坂元裕二」「サウナ」など自分が大学に入ってから没頭した様々なジャンルのほとんどをこのヒコさんの「青春ゾンビ」から学んでいて「最近のこと」というタイトルも勝手にお借りしている。膨大な知識量はもとより、何といっても常に新しいカルチャーを吸収しているところに驚かされる。Yahoo!知恵袋の感覚で、気になることがあればいつも「from:hiko1985:自分の好きなコンテンツ」とツイッター検索しています。

卒論は結構な仕上がりになりそうで、3万字コースがほぼ確定している。書いた文章を先生に褒められた時に、あぁ、この瞬間のために自分は書いていたんだと坂元裕二みたいなことを思ったけど、ふつーに卒業のためだよな。勉強はずっと嫌いだったけど、最後に成果を残すのも悪くないともちょっとは思った。アポイントを取った専門家の人とのインタビュー調査の予定も来週にあったりするので、今からもう胃が痛くてたまらない。 

月曜日は『プロフェッショナル 仕事の流儀「生きづらい、あなたへ~脚本家・坂元裕二」』を観た。『Mother』にて、育児放棄をする母親の姿に視聴者から非難が殺到したことを受けて、8話で新たに母親の過去を掘り下げたという瑞々しいエピソードが聞けた。「人となりは人との関係性で決まる」からして、絶対的なものでなく、悪の一方には必ず善がある。児童虐待は到底許されない行為だけど、その結果に至るまでには必ずいくつもの積み重ねがあり、それを書いたのが8話なのだ。

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まんぷく』でも、売上を天引きした世良さんを一方的な悪者とせず、複数の視点から描いていた。「悪いな立花くん。俺かて金に困ってんのや」と悪態を付きつつ別の場面では、靴磨きの少年に対して多めにお金を払っていたり、0か100かで判断しない自然な人間像が垣間見れた。これからも世良さんとの関係は続いていくだろうし、単純な勧善懲悪に収まらないのが良かった。

水曜日、何とも哀愁を感じる川崎ビッグというサウナに行ったのち『ボヘミアン・ラプソディ』を観た。水風呂がぬるくて、かけ流しでないのが気になったがテレビが異様に多く、風呂場の至る所に設置されていた。サウナから出た後も休みながら科捜研の女を途切れずに観られた。映画の方は随分刺激が強く、音がかなり大きいのもあって別の世界にいるような感覚だった。